奥の細道 旅立ち 漂泊の思ひ 現代仮名遣い
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奥の細道 漂泊の思ひ 旅立ち
作者=「松尾芭蕉」 ジャンル=「紀行文」 成立=「江戸時代前期」
◆月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
月日(つきひ)
は
百代(はくたい)
の
過客(くわかく) → 【かかく】
に
して
行きかふ → 【ゆきかう】《ユキコー》
年(とし)
も
また
旅人(たびびと)
なり
◆舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅を栖とす。
船(ふね)
の
上(うへ) → 【うえ】
に
生涯(しやうがい) → 【しょうがい】《ショーガイ》
を
浮かべ(うかべ)
馬(うま)
の
口(くち)
とらへ → 【とらえ】
て
老い(おい)
を
迎ふる(むかふる) → 【むかうる】《ムコール》
者(もの)
は
日々(ひび)
旅(たび)
に
して
旅(たび)
を
栖(すみか)
と
す
◆古人も多く旅に死せるあり。
古人(こじん)
も
多く(おほく) → 【おおく】
旅(たび)
に
死せ(しせ)
る
あり
◆予も、いづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋に蜘蛛の古巣を払ひて、
予(よ)
も
いづれ → 【いずれ】
の
年(とし)
より
か
片雲(へんうん)
の
風(かぜ)
に
誘は(さそは) → 【さそわ】
れ
て
漂白(へうはく) → 【ひょうはく】《ヒョーハク》
の
思ひ(おもひ) → 【おもい】
やま
ず
海浜(かいひん)
に
さすらへ → 【さすらえ】
去年(こぞ)
の
秋(あき)
江上(かうしやう) → 【こうしょう】《コーショー》
の
破屋(はをく) → 【はおく】
に
蜘蛛(くも)
の
古巣(ふるす)
を
払ひ(はらひ) → 【はらい】
て
◆やや年も暮れ、春立てる霞の空に、白河の関越えんと、そぞろ神の物につきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて、取るもの手につかず、
やや
年(とし)
も
暮れ(くれ)
春(はる)
立て(たて)
る
霞(かすみ)
の
空(そら)
に
白河(しらかは) → 【しらかわ】
の
関(せき)
越え(こえ)
ん
と
そぞろ神(そぞろがみ)
の
物(もの)
に
つき
て
心(こころ)
を
狂は(くるは) → 【くるわ】
せ
道祖神(だうそじん) → 【どうそじん】《ドーソジン》
の
招き(まねき)
に
あひ → 【あい】
て
取る(とる)
もの
手(て)
に
つか
ず
◆股引の破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲り、杉風が別墅に移るに、
股引(ももひき)
の
破れ(やぶれ)
を
つづり
笠(かさ)
の
緒(を) → 【お】
付けかへ(つけかへ) → 【つけかえ】
て
三里(さんり)
に
灸(きう) → 【きゅう】《キュー》
すうる
より
松島(まつしま)
の
月(つき)
まづ → 【まず】
心(こころ)
に
かかり
て
住め(すめ)
る
方(かた)
は
人(ひと)
に
譲り(ゆづり) → 【ゆずり】
杉風(さんぷう)《サンプー》
が
別墅(べつしよ) → 【べっしょ】
に
移る(うつる)
に
◆草の戸も住み替はる代ぞ雛の家
草(くさ)
の
戸(と)
も
住み替はる → 【すみかわる】
代(よ)
ぞ
雛(ひな)
の
家(いへ) → 【いえ】
◆面八句を庵の柱に掛け置く。
面八句(おもてはつく) → 【おもてはっく】
を
庵(いほり) → 【いおり】
の
柱(はしら)
に
掛け置く(かけおく)
◆弥生も末の七日、あけぼのの空朧々として、月は有明にて光をさまれるものから、富士の峰かすかに見えて、上野・谷中の花の梢、またいつかはと心細し。
弥生(やよひ) → 【やよい】
も
末(すゑ) → 【すえ】
の
七日(なぬか)
あけぼの
の
空(そら)
瓏々と(ろうろうと)《ローロート》
して
月(つき)
は
有明(ありあけ)
に
て
光(ひかり)
をさまれ → 【おさまれ】
る
ものから
富士(ふじ)
の
峰(みね)
かすかに
見え(みえ)
て
上野(うへの) → 【うえの】
谷中(やなか)
の
花(はな)
の
梢(こずゑ) → 【こずえ】
また
いつ
か
は
と
心細し(こころぼそし)
◆むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗りて送る。
むつましき
かぎり
は
宵(よひ) → 【よい】
より
つどひ → 【つどい】
て
舟(ふね)
に
乗り(のり)
て
送る(おくる)
◆千住といふ所にて舟を上がれば、前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の涙をそそぐ。
千住(せんぢゆ) → 【せんじゅ】
と
いふ → 【いう】《ユー》
所(ところ)
にて
舟(ふね)
を
上がれ(あがれ)
ば
前途(ぜんと)
三千里(さんぜんり)
の
思ひ(おもひ) → 【おもい】
胸(むね)
に
ふさがり
て
幻(まぼろし)
の
ちまた
に
離別(りべつ)
の
涙(なみだ)
を
そそぐ
◆行く春や鳥啼き魚の目は涙
行く(ゆく)
春(はる)
や
鳥(とり)
啼き(なき)
魚(うを) → 【うお】
の
目(め)
は
涙(なみだ)
◆これを矢立の初めとして、行く道なほ進まず。
これ
を
矢立(やたて)
の
初め(はじめ)
と
し
て
行く(ゆく)
道(みち)
なほ → 【なお】
進ま(すすま)
ず
◆人々は途中に立ち並びて、後ろ影の見ゆるまではと見送るなるべし。
人々(ひとびと)
は
途中(とちゆう) → 【とちゅう】《トチュー》
に
立ち並び(たちならび)
て
後ろ影(うしろかげ)
の
見ゆる(みゆる)
まで
は
と
見送る(みおくる)
なる
べし
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予(よ)
も
いづれ → 【いずれ】
の
年(とし)
より
か
片雲(へんうん)
の
風(かぜ)
に
誘は(さそは) → 【さそわ】
れ
て
漂白(へうはく) → 【ひょうはく】《ヒョーハク》
の
思ひ(おもひ) → 【おもい】
やま
ず
海浜(かいひん)
に
さすらへ → 【さすらえ】
去年(こぞ)
の
秋(あき)
江上(かうしやう) → 【こうしょう】《コーショー》
の
破屋(はをく) → 【はおく】
に
蜘蛛(くも)
の
古巣(ふるす)
を
払ひ(はらひ) → 【はらい】
て
◆やや年も暮れ、春立てる霞の空に、白河の関越えんと、そぞろ神の物につきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて、取るもの手につかず、
やや
年(とし)
も
暮れ(くれ)
春(はる)
立て(たて)
る
霞(かすみ)
の
空(そら)
に
白河(しらかは) → 【しらかわ】
の
関(せき)
越え(こえ)
ん
と
そぞろ神(そぞろがみ)
の
物(もの)
に
つき
て
心(こころ)
を
狂は(くるは) → 【くるわ】
せ
道祖神(だうそじん) → 【どうそじん】《ドーソジン》
の
招き(まねき)
に
あひ → 【あい】
て
取る(とる)
もの
手(て)
に
つか
ず
◆股引の破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲り、杉風が別墅に移るに、
股引(ももひき)
の
破れ(やぶれ)
を
つづり
笠(かさ)
の
緒(を) → 【お】
付けかへ(つけかへ) → 【つけかえ】
て
三里(さんり)
に
灸(きう) → 【きゅう】《キュー》
すうる
より
松島(まつしま)
の
月(つき)
まづ → 【まず】
心(こころ)
に
かかり
て
住め(すめ)
る
方(かた)
は
人(ひと)
に
譲り(ゆづり) → 【ゆずり】
杉風(さんぷう)《サンプー》
が
別墅(べつしよ) → 【べっしょ】
に
移る(うつる)
に
◆草の戸も住み替はる代ぞ雛の家
草(くさ)
の
戸(と)
も
住み替はる → 【すみかわる】
代(よ)
ぞ
雛(ひな)
の
家(いへ) → 【いえ】
◆面八句を庵の柱に掛け置く。
面八句(おもてはつく) → 【おもてはっく】
を
庵(いほり) → 【いおり】
の
柱(はしら)
に
掛け置く(かけおく)
◆弥生も末の七日、あけぼのの空朧々として、月は有明にて光をさまれるものから、富士の峰かすかに見えて、上野・谷中の花の梢、またいつかはと心細し。
弥生(やよひ) → 【やよい】
も
末(すゑ) → 【すえ】
の
七日(なぬか)
あけぼの
の
空(そら)
瓏々と(ろうろうと)《ローロート》
して
月(つき)
は
有明(ありあけ)
に
て
光(ひかり)
をさまれ → 【おさまれ】
る
ものから
富士(ふじ)
の
峰(みね)
かすかに
見え(みえ)
て
上野(うへの) → 【うえの】
谷中(やなか)
の
花(はな)
の
梢(こずゑ) → 【こずえ】
また
いつ
か
は
と
心細し(こころぼそし)
◆むつましきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗りて送る。
むつましき
かぎり
は
宵(よひ) → 【よい】
より
つどひ → 【つどい】
て
舟(ふね)
に
乗り(のり)
て
送る(おくる)
◆千住といふ所にて舟を上がれば、前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の涙をそそぐ。
千住(せんぢゆ) → 【せんじゅ】
と
いふ → 【いう】《ユー》
所(ところ)
にて
舟(ふね)
を
上がれ(あがれ)
ば
前途(ぜんと)
三千里(さんぜんり)
の
思ひ(おもひ) → 【おもい】
胸(むね)
に
ふさがり
て
幻(まぼろし)
の
ちまた
に
離別(りべつ)
の
涙(なみだ)
を
そそぐ
◆行く春や鳥啼き魚の目は涙
行く(ゆく)
春(はる)
や
鳥(とり)
啼き(なき)
魚(うを) → 【うお】
の
目(め)
は
涙(なみだ)
◆これを矢立の初めとして、行く道なほ進まず。
これ
を
矢立(やたて)
の
初め(はじめ)
と
し
て
行く(ゆく)
道(みち)
なほ → 【なお】
進ま(すすま)
ず
◆人々は途中に立ち並びて、後ろ影の見ゆるまではと見送るなるべし。
人々(ひとびと)
は
途中(とちゆう) → 【とちゅう】《トチュー》
に
立ち並び(たちならび)
て
後ろ影(うしろかげ)
の
見ゆる(みゆる)
まで
は
と
見送る(みおくる)
なる
べし
■一日も早く現代仮名遣いが分からないレベルからは卒業しましょうね。
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