土佐日記 帰京 現代仮名遣い
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「土佐日記」の「帰京」の全文・「ひらがな」の「歴的仮名遣い」と「現代仮名遣い」です。現代仮名遣い(表記)=青色表示【】内に記載。
読み(発音)=橙色表示《》内に記載。
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■現代語訳・品詞分解や語句・文法などの解説は下記サイトからどうぞ。
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土佐日記 帰京
作者=「紀貫之」 ジャンル=「日記」 成立=「平安時代前期」
◆夜ふけて来れば、所々も見えず。
夜(よ)
ふけ
て
来れ(くれ)
ば
所々(ところどころ)
も
見え(みえ)
ず
◆京に入り立ちてうれし。
京(きやう) → 【きょう】《キョー》
に
入り立ち(いりたち)
て
うれし
◆家に至りて門に入るに、月あかければ、いとよくありさま見ゆ。
家(いへ) → 【いえ】
に
至り(いたり)
て
門(かど)
に
入る(いる)
に
月(つき)
明かけれ(あかけれ)
ば
いと
よく
ありさま
見ゆ(みゆ)
◆聞きしよりもまして、いふかひなくぞこぼれ破れたる。
聞き(きき)
し
より
も
まし
て
いふかひなく → 【いうかいなく】《ユーカイナク》
ぞ
こぼれ
破れ(やぶれ)
たる
◆家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり。
家(いへ) → 【いえ】
に
預け(あづけ) → 【あずけ】
たり
つる
人(ひと)
の
心(こころ)
も
荒れ(あれ)
たる
なり
けり
◆中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれるなり。
中垣(なかがき)
こそ
あれ
一つ(ひとつ)
家(いへ) → 【いえ】
の
やうなれ → 【ようなれ】《ヨーナレ》
ば
望み(のぞみ)
て
預かれ(あづかれ) → 【あずかれ】
る
なり
◆さるは、たよりごとに、物も絶えず得させたり。
さるは
たよりごと
に
物(もの)
も
絶えず(たえず)
得(え)
させ
たり
◆今宵、「かかること」と、声高にものも言はせず。
今宵(こよひ) → 【こよい】
かかる
こと
と
声高に(こわだか)
もの
も
言は(いは) → 【いわ】
せ
ず
◆いとはつらく見ゆれど、心ざしはせむとす。
いと
は
つらく
見ゆれ(みゆれ)
ど
心ざし(こころざし)
は
せ
む → 【ん】
と
す
◆さて、池めいてくぼまり、水つけるところあり。
さて
池めい(いけめい)
て
くぼまり
水(みづ) → 【みず】
つけ
る
所(ところ)
あり
◆ほとりに松もありき。
ほとり
に
松(まつ)
も
あり
き
◆五年六年のうちに、千年や過ぎにけむ、かたへはなくなりにけり。
五年・六年(いつとせ・むとせ)
の
うち
に
千年(ちとせ)
や
過ぎ(すぎ)
に
けむ → 【けん】
かたへ → 【かたえ】
は
なく
なり
に
けり
◆今生ひたるぞまじれる。
今(いま)
生ひ(おひ) → 【おい】
たる
ぞ
まじれ
る
◆おほかたのみな荒れにたれば、「あはれ」とぞ人々言ふ。
おほかた → 【おおかた】
の
みな
荒れ(あれ)
に
たれ
ば
あはれ → 【あわれ】
と
ぞ
人々(ひとびと)
言ふ(いふ) → 【いう】《ユー》
◆思ひ出でぬことなく、思ひ恋しきがうちに、この家にて生まれし女子の、もろともに帰らねば、いかがは悲しき。
思ひ出で(おもひいで) → 【おもいいで】
ぬ
こと
なく
思ひ(おもひ) → 【おもい】
恋しき(こひしき) → 【こいしき】
が
うち
に
こ
の
家(いへ) → 【いえ】
にて
生まれ(うまれ)
し
女子(をんなご) → 【おんなご】
の
もろともに
帰ら(かへら) → 【かえら】
ね
ば
いかが
は
悲しき(かなしき)
◆舟人もみな、子たかりてののしる。
船人(ふなびと)
も
みな
子(こ)
たかり
て
ののしる
◆かかるうちに、なほ悲しきに堪へずして、ひそかに心知れる人と言へりける歌。
かかる
うち
に
なほ → 【なお】
悲しき(かなしき)
に
堪へ(たへ) → 【たえ】
ず
して
ひそかに
心(こころ)
知れ(しれ)
る
人(ひと)
と
言へ(いへ) → 【いえ】
り
ける
歌(うた)
◆生まれしも帰らぬものをわが宿に小松のあるを見るが悲しさ
生まれ(むまれ)
し
も
帰ら(かへら) → 【かえら】
ぬ
ものを
わ
が
宿(やど)
に
小松(こまつ)
の
ある
を
見る(みる)
が
悲しさ(かなしさ)
◆とぞ言へる。なほ飽かずやあらむ、またかくなむ。
と
ぞ
言へ(いへ) → 【いえ】
る
なほ → 【なお】
飽か(あか)
ず
や
あら
む → 【ん】
また
かく
なむ → 【なん】
◆見し人の松の千年に見ましかば遠く悲しき別れせましや
見(み)
し
人(ひと)
の
松(まつ)
の
千年(ちとせ)
に
見(み)
ましか
ば
遠く(とほく) → 【とおく】
悲しき(かなしき)
別れ(わかれ)
せ
まし
や
◆忘れがたく、口惜しきこと多かれど、え尽くさず。
忘れがたく(わすれがたく)
口惜しき(くちをしき) → 【くちおしき】
こと
多かれ(おほかれ) → 【おおかれ】
ど
え
尽くさ(つくさ)
ず
◆とまれかうまれ、とく破りてむ。
とまれかうまれ → 【とまれこうまれ】《トマレコーマレ》
とく
破り(やぶり)
て
む → 【ん】
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聞き(きき)
し
より
も
まし
て
いふかひなく → 【いうかいなく】《ユーカイナク》
ぞ
こぼれ
破れ(やぶれ)
たる
◆家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり。
家(いへ) → 【いえ】
に
預け(あづけ) → 【あずけ】
たり
つる
人(ひと)
の
心(こころ)
も
荒れ(あれ)
たる
なり
けり
◆中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれるなり。
中垣(なかがき)
こそ
あれ
一つ(ひとつ)
家(いへ) → 【いえ】
の
やうなれ → 【ようなれ】《ヨーナレ》
ば
望み(のぞみ)
て
預かれ(あづかれ) → 【あずかれ】
る
なり
◆さるは、たよりごとに、物も絶えず得させたり。
さるは
たよりごと
に
物(もの)
も
絶えず(たえず)
得(え)
させ
たり
◆今宵、「かかること」と、声高にものも言はせず。
今宵(こよひ) → 【こよい】
かかる
こと
と
声高に(こわだか)
もの
も
言は(いは) → 【いわ】
せ
ず
◆いとはつらく見ゆれど、心ざしはせむとす。
いと
は
つらく
見ゆれ(みゆれ)
ど
心ざし(こころざし)
は
せ
む → 【ん】
と
す
◆さて、池めいてくぼまり、水つけるところあり。
さて
池めい(いけめい)
て
くぼまり
水(みづ) → 【みず】
つけ
る
所(ところ)
あり
◆ほとりに松もありき。
ほとり
に
松(まつ)
も
あり
き
◆五年六年のうちに、千年や過ぎにけむ、かたへはなくなりにけり。
五年・六年(いつとせ・むとせ)
の
うち
に
千年(ちとせ)
や
過ぎ(すぎ)
に
けむ → 【けん】
かたへ → 【かたえ】
は
なく
なり
に
けり
◆今生ひたるぞまじれる。
今(いま)
生ひ(おひ) → 【おい】
たる
ぞ
まじれ
る
◆おほかたのみな荒れにたれば、「あはれ」とぞ人々言ふ。
おほかた → 【おおかた】
の
みな
荒れ(あれ)
に
たれ
ば
あはれ → 【あわれ】
と
ぞ
人々(ひとびと)
言ふ(いふ) → 【いう】《ユー》
◆思ひ出でぬことなく、思ひ恋しきがうちに、この家にて生まれし女子の、もろともに帰らねば、いかがは悲しき。
思ひ出で(おもひいで) → 【おもいいで】
ぬ
こと
なく
思ひ(おもひ) → 【おもい】
恋しき(こひしき) → 【こいしき】
が
うち
に
こ
の
家(いへ) → 【いえ】
にて
生まれ(うまれ)
し
女子(をんなご) → 【おんなご】
の
もろともに
帰ら(かへら) → 【かえら】
ね
ば
いかが
は
悲しき(かなしき)
◆舟人もみな、子たかりてののしる。
船人(ふなびと)
も
みな
子(こ)
たかり
て
ののしる
◆かかるうちに、なほ悲しきに堪へずして、ひそかに心知れる人と言へりける歌。
かかる
うち
に
なほ → 【なお】
悲しき(かなしき)
に
堪へ(たへ) → 【たえ】
ず
して
ひそかに
心(こころ)
知れ(しれ)
る
人(ひと)
と
言へ(いへ) → 【いえ】
り
ける
歌(うた)
◆生まれしも帰らぬものをわが宿に小松のあるを見るが悲しさ
生まれ(むまれ)
し
も
帰ら(かへら) → 【かえら】
ぬ
ものを
わ
が
宿(やど)
に
小松(こまつ)
の
ある
を
見る(みる)
が
悲しさ(かなしさ)
◆とぞ言へる。なほ飽かずやあらむ、またかくなむ。
と
ぞ
言へ(いへ) → 【いえ】
る
なほ → 【なお】
飽か(あか)
ず
や
あら
む → 【ん】
また
かく
なむ → 【なん】
◆見し人の松の千年に見ましかば遠く悲しき別れせましや
見(み)
し
人(ひと)
の
松(まつ)
の
千年(ちとせ)
に
見(み)
ましか
ば
遠く(とほく) → 【とおく】
悲しき(かなしき)
別れ(わかれ)
せ
まし
や
◆忘れがたく、口惜しきこと多かれど、え尽くさず。
忘れがたく(わすれがたく)
口惜しき(くちをしき) → 【くちおしき】
こと
多かれ(おほかれ) → 【おおかれ】
ど
え
尽くさ(つくさ)
ず
◆とまれかうまれ、とく破りてむ。
とまれかうまれ → 【とまれこうまれ】《トマレコーマレ》
とく
破り(やぶり)
て
む → 【ん】
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